N-BOXのオイル交換方法【写真で徹底解説】

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  • 素人だけど自分で交換できるか心配…
  • N-BOXのエンジンオイルの量や締め付けトルクなど詳しいデータが知りたい
  • N-BOXのエンジンオイルやフィルター交換に何が必要?

今までいろいろな車のオイル交換を100回以上行ってきた筆者が、ホンダN-BOXのエンジンオイルとオイルフィルター(オイルエレメント)の交換方法を写真をたくさん使い、手順を追って詳しく解説します。

本記事の解説は、初代から現行まで全ての型式のN-BOXに対応しています。

シキ

N-BOXの型式(JF1・JF2・JF3・JF4・JF5・JF6)の調べ方はこちらをご参考ください。

この記事で分かること

N-BOXエンジンオイルとフィルター交換の所要時間

エンジンオイルやオイルフィルターの交換は、交換作業だけでなく、前後の準備や片づけ、掃除などにも意外と時間がかかりますので、慣れていない間は1時間ぐらいみておいた方が良いでしょう。

シキ

慣れてくると30分ぐらいで全ての作業を終えることができます。

N-BOXエンジンオイル交換に必要なもの

必ず必要なもの


エンジンオイル
1回のエンジンオイル交換で最大2.6L(JF1,JF2)、または2.8L(JF3,JF4,JF5,JF6)必要なので、3L缶か4L缶を購入すれば大丈夫です。またエンジンオイルの粘度は特にこだわりがなければ、メーカーのエンジンオイルと同じ0W-20のものを購入すれば良いでしょう。

オイルフィルター
オイルフィルターの純正品番は、H1540-RTA-003、またはH1540-RTA-004です。また、HAMPのH1540-RTA-515もおすすめです。

ドレンワッシャー(ドレンパッキン)
ドレンボルトの部分からオイルが漏れないように使用します。ホンダ純正ドレンパッキンの寸法は外径22mm、内径14.2mm、厚み2㎜です。また材質はアルミです。ドレンパッキンは再利用せず、オイル交換の度に新しいものに交換しましょう。

メガネレンチ(17mm)
ドレンボルトの脱着に使用します。スパナモンキーレンチでも代用可能ですが、ドレンボルトの脱着はメガネレンチが一番使いやすいです。短いメガネレンチはテコの原理が使えず力がかからないのでドレンボルトが外しにくいですが、逆に長過ぎるとリフトアップしていない車体の下では狭くて柄が地面に当たって回せないといったことになるので注意が必要です。

オイルフィルターレンチ
オイルフィルターの脱着に使用します。純正オイルフィルターH1540-RTA-003には、63mmのオイルフィルターレンチKTC AVSA-063等)が必要です。また、オイルフィルターレンチを回すためには別途、差込角9.5mmのハンドルが必要です。

ラチェットハンドル
オイルフィルターレンチを回すためのハンドルです。ラチェットハンドルが作業しやすいですが、スピンナーハンドルでも代用できます。差込角9.5mmのものを選んでください。

オイルジョッキ
エンジンオイルの量を計ってエンジン内にオイルを補給する時に使用します。オイルジョッキの側面には目盛りが書いてあります。N-BOXの場合は最大で2.8リッターのオイルを補給しますので、3リッター以上のオイルジョッキが良いです。

あると便利なもの


カースロープ
N-BOXをリフトアップするために使用します。リフトアップして車体の下の空間が広くなると、作業がしやすいです。ガレージジャッキジャッキスタンド(ウマ)でも代用可能です。

オイル受け皿
抜いたエンジンオイルを受けるために使用します。極論、オイルを受けれればバケツでもタライでも何でも良いのですが、オイル受け皿はオイル交換専用に作られているので、平たく高さも低いので車体の下に入れやすいです。またノズルがついているタイプはオイルを別容器に移すときに大変便利です。小さいサイズだとこぼれやすいので、大きめのサイズを選びましょう。

トルクレンチ
ドレンボルトを指定トルク(N-BOXは40N・m)で締める時に使用します。慣れないうちは締め過ぎなのか、緩いのか分からないので、トルクレンチがあった方が確実です。慣れてきて感覚が分かれば手締めで作業されている方も多いです。差込角9.5mmのトルクレンチが扱いやすいです。

ソケット(17mm)
トルクレンチの先に付けて使用します。N-BOXのドレンボルトに合う二面幅17mmのソケットを購入しましょう。差込角は使用するトルクレンチに合ったソケットを購入しましょう。トルクレンチを使用しないのであれば、ソケットは必要ありません。

ゴム手袋
オイル交換は素手でも可能ですが、ゴム手袋があった方が良いでしょう。薄手の手袋の方が細かい部品をつかみやすいですし、ドレンボルトなどの締め付けの感覚が分かるので良いです。100均のゴム手袋で十分です。

ウエス
オイルを拭くのに使用します。エンジンオイルの交換をしていると、慣れないうちはそこらじゅうにオイルが付きます。ウエスでなくてもタオルや布切れ、着なくなったTシャツなどでも大丈夫です。

ポイパック(廃油処理箱)
廃油を捨てる時に使用します。ポイパックを使うと燃えるごみとして捨てることができます。自治体によっては引き取ってもらえない場合があるので、あらかじめ購入前に確認しておきましょう。

ポリ容器
抜いたエンジンオイルを一時的に保管しておくために使用します。20Lぐらいの容量のものを買えば、最大で7回分のエンジンオイル交換で出た廃油を保管できます。ノズル付きのポリ容器が便利です。

N-BOXの世代と型式

N-BOXは2011年12月から販売され、現在販売されているのは3代目です。

2代目から新設計のエンジン(S07B)が使われており、初代と2・3代目はエンジンの型式が違います

シキ

エンジンの型式によってエンジンオイルの量が違いますので事前に型式を調べておきましょう。

世代販売年月型式エンジン型式
N-BOX 初代2011(平成23)年12月~
2017(平成29)年9月
DBA-JF1
DBA-JF2
S07A
N-BOX 2代目2017(平成29)年9月~
2023(令和5)年10月
DBA-JF3
DBA-JF4
S07B
N-BOX 3代目(現行)2023(令和5)年10月~
販売中
DBA-JF5
DBA-JF6
S07B

N-BOXの型式の調べ方

型式は車検証やコーションプレートに記載されています。

車検証
コーションプレート

コーションプレートは車によって貼ってある場所が違いますが、たいてい助手席のドアの内側やボンネットの中です。

シキ

筆者のN-BOXは初代ですので、型式はDBA-JF1です。

N-BOXに使用するエンジンオイルとオイルフィルター

エンジンオイルの種類

メーカー推奨エンジンオイル
  • ウルトラ LEO(粘度 0W-20)
  • ウルトラ NEXT(粘度 0W-20)
  • ウルトラ Green(粘度 0W-20よりさらに低粘度)※JF3,JF4,JF5,JF6には非推奨

使用するエンジンオイルは上記のメーカー推奨、または他社のものでも構いませんが、特にこだわりがなければ粘度は0W-20、規格はSPのものを選ぶようにしましょう。

シキ

エンジンオイルの粘度については下記の「エンジンオイル屋」さんのサイトがとても分かりやすく参考になります。

エンジンオイルの量

エンジンオイルの量

型式がJF1JF2の場合

  • オイルのみ交換:2.4L
  • オイルとフィルター交換:2.6L

型式がJF3JF4JF5JF6の場合

  • オイルのみ交換:2.4L
  • オイルとフィルター交換:2.8L

※N-BOXの型式によってオイルの量が違います。

オイルフィルターの種類

純正オイルフィルター型式
  • 15400-RTA-003
  • 15400-RTA-004(廃盤)

オイルフィルターは上記の純正品でも他社の互換品でもどちらでも大丈夫です。

今回の解説ではホンダのパーツブランドHAMPのオイルフィルターH1540-RTA-003を購入しました。

純正オイルフィルターではありませんが、ホンダが出していますので安心できます。

シキ

オイルフィルターは1つだけ買うと割高で送料もかかるので、複数のまとめ買いがお得です。

N-BOX エンジンオイル&フィルター交換手順

STEP

リフトアップする

まず最初にオイル交換の作業をするために車体をリフトアップします。

リフトアップしなくても体が車体の下に入ればオイル交換は可能ですが、狭くて作業がし難いので初心者の方はリフトアップすることをオススメします。

リフトアップするには、カースロープガレージジャッキジャッキスタンド(ウマ)を使います。

どれもネットで比較的安価で売られていますので、今後自分でエンジンオイルの交換をされる方は一つ持っておくと便利です。

オイル交換は車体の下に潜ります。

潜っている時に車が動いて下敷きにならないように念の為、後輪タイヤを輪止めしておきましょう。

STEP

ドレンボルトとオイルフィルターの場所確認

車体の下を覗くとフロントバンパーのすぐ後ろにオイルパンがあって、そこにドレンボルトとオイルフィルターがついてます。

N-BOXはどちらもオイルパンの前側についているので作業がしやすいです。

STEP

ドレンボルトを外す

次にオイルパンの下に受け皿をセットして工具でドレンボルトをゆっくり緩めていきます(反時計回り)。

工具はなめにくく力の入りやすいメガネレンチがオススメですが、なければスパナやモンキーでも大丈夫です。

ドレンボルトのサイズと使用工具
  • ドレンボルトのサイズはM14×1.5
  • ボルトの頭の二面幅が17mmなので17mmの工具を使用

ゆっくり緩めていって手で回るくらいになったらその後は手回しで、さらに回していくとオイルがポタポタと落ちてきます。

ドレンボルトを外すとドバーっ勢いよくとエンジンオイルが出てきます。

車を運転してエンジンが温まった状態で作業する場合は、エンジンオイルがかなり熱くなっているので火傷しないよう注意が必要です。

STEP

オイルフィルターを外す

ドレンボルトの穴からオイルがほとんど出てこなくなったら、次はオイルフィルターを外します。

このオイルフィルターはあまり固く締めてないので、手で回して外せることがあります(反時計回り)。

もしオイルフィルターが手で回らない場合は、オイルフィルターレンチ(63mm)を使います。

オイルフィルターレンチはラチェットハンドルなどのハンドルを頭にセットして使うのですが、ハンドルがない場合は頭が六角になっていますのでその部分をモンキーレンチなどで回して使っても良いです。

オイルフィルターレンチ自体がない場合は、ウォーターポンププライヤーパイプレンチなどで直接オイルフィルターを回せば外せることがありますが、あまりオススメできません。

オイルフィルターを外すと、その中に残っていたオイルがたくさん出てきます。

STEP

エンジンオイルが抜けるまで待つ

ドレンボルトとオイルフィルターが外せたら、エンジンオイルが抜けるまで待ちます。

ただ、いつまでたってもポタポタとエンジンオイルが出てきます。

完全に抜くことは不可能なので、ある程度抜けたらOKです。

この時点でエンジンオイルの給油キャップやオイルゲージを外すと、そこから空気が入るのでより早く抜くことができます。

エンジンオイルが抜けたらドレンボルトとオイルフィルターの当たり面をウエスで拭いて掃除します。

当たり面にゴミがついているとオイル漏れの原因になります。

STEP

新しいオイルフィルターを取り付ける

エンジンオイルが抜けたら、次はオイルフィルターの取り付けです。

取り付け前にオイルフィルターのパッキンにオイルを塗って(今回のオイル交換で抜いた廃油でOK)、滑りやすくしておきましょう。
最初からグリスが塗ってある場合はこの作業は不要です。

これを塗らずにフィルターを取り付けるとパッキンが痛む可能性があります。

オイルフィルターを取り付けるときは、時計回りに回すと締まります。

オイルフィルター締め付けトルク
  • 12N・m、またはパッキンがオイルパンに当たってから3/4回転

オイルフィルターも締め付けトルクが決まっていて規定値のトルクで締めるにはトルクレンチが必要ですが、トルクレンチを持っている方は少ないと思いますので手締めで大丈夫です。

オイルフィルターには90度ごとに(1)(2)(3)(4)と番号が書いてあるタイプがあります。

3/4回転するには例えば(2)のところでオイルパンに当たったら、(1)まで回せば3/4回転になります。

シキ

12N・mとか3/4回転という数字は思ったより緩く、外れないか心配になって思わずそれ以上に締めてしまいそうになりますが外れないので大丈夫です

手締めしにくい場合は、フィルターレンチを使用します。

STEP

ドレンボルトを取り付ける

ドレンボルトにはドレンワッシャー(ドレンパッキン)がついていて、メーカーによって寸法や材質が違います。

純正ドレンワッシャーの寸法と材質
  • 寸法は外径22mm内径14.2mm厚み2㎜
  • 材質はアルミ

ボルトの径に合うワッシャーであれば、汎用品のワッシャーでもオイルが漏れることはないと思いますが、ドレンワッシャーはそんなに高いものではありませんので念の為メーカーと同じワッシャーを使用した方が安心です。

実はワッシャーには表裏があります(表裏がないタイプもあります)。

表面がツルツルで角がとってある方が表、角がとってなくてバリがあるのが裏で、表をボルト側、裏を車体側に使用します。

シキ

僕も最近まで表裏があることを知らず、それまでに何十回もオイル交換をしてきました。なので向きを間違いたからといってオイルが漏れることはないと思いますが、表裏が分かる方は使い分けた方がよいでしょう。

ドレンワッシャーはアルミや銅などの柔らかい材質なので、ボルトを締めるとキュッと圧縮されて変形します。

ドレンワッシャーは漏れ防止のため、再利用せず毎回交換しましょう。

ドレンボルトを取り付けるときは、時計回りに回すと締まります。

ドレンボルトに限らず、ボルトを締める時はまず手回しでスムーズに回ることを確認してから工具を使用します。

シキ

いきなり工具を使用するとボルトが斜めに入っていたり、噛み合っていなかった場合、ネジ山を壊してしまうことがあるので注意です。

このドレンボルトは締め付けトルクが決まっています。

ドレンボルト締め付けトルク
  • 40N・m

正確なトルクで締めるにはトルクレンチが必要ですが、ない場合は手締めでも構いません。

車屋さんやDIYでしている人のほとんどが大体の感覚で締めしていることが多いようです。

素人は思わず締めすぎてしまうことがあるため注意しましょう。

STEP

新しいエンジンオイルを補給する

ドレンボルトとオイルフィルターを取り付けたら、新しいエンジンオイルを補給します。

エンジンオイルの補給はしっかりと量を計って入れないといけないのでオイルジョッキが必要です。

エンジンオイルの量

型式がJF1JF2の場合

  • オイルのみ交換:2.4L
  • オイルとフィルター交換:2.6L

型式がJF3JF4JF5JF6の場合

  • オイルのみ交換:2.4L
  • オイルとフィルター交換:2.8L

※N-BOXの型式によってオイルの量が違います。

エンジンオイルの量は多くても少なくてもダメです。もしオイルを入れすぎてしまったら抜く作業が面倒なので、例えば2.6L補給したい場合は2.4Lとか少し少なめに補給して、足りなかったらまた少し足して・・・ということを規定量になるまで繰り返します。
※STEP 8 とSTEP 9を繰り返す。

エンジンオイルは写真の給油口から補給します。

勢いよくオイルを入れると溢れる可能性があるため、ゆっくり補給しましょう。

STEP

エンジンオイルが規定量入っているか確認する

エンジンオイルを補給したら、少しエンジンを動かしてオイルを隅々まで行き渡らせます

エンジンオイルが規定量入っているかの確認はレベルゲージを使用します。

ボンネットの中央下よりにオレンジ色の取っ手のついたレベルゲージがあります。

一旦、レベルゲージを引き抜いてウエスなどでオイルを拭き取った後、もう一度レベルゲージを挿して、また引き抜いてレベルゲージの位置を確認します。

オイルが付いている部分と付いていない部分の境目が上限と下限の間に入っていればOKです。

下限より下であれば、少しオイルを足して確認・・・を繰り返します。
エンジンオイルが規定量入ったら給油口のキャップとオイルゲージをしっかり閉めます。

STEP

エンジンオイルの漏れがないか確認

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: n-box-change-engine-oil_491.jpg

最後はエンジンをかけてドレンボルトやオイルフィルターのところから漏れがないか確認します。

STEP

作業後のポイント

使用済みの抜いたオイルを見て汚れ具合を確認しましょう。

新品のオイルが小麦色のような色をしているので、比較するとどれくらい汚れているか分かると思います。

エンジンオイルの廃油は、廃油処理箱(オイルパック)などを使うとゴミとして出せる地域もありますが、僕の住んでるエリアもその方法では捨てられません。

僕の場合は写真のように20Lのポリタンクにためておいて、車検の時に車屋さんに無料で引き取ってもらってます。

エンジンオイルは3L缶を購入しても、4L缶を購入しても余ります。

今後もDIYで交換される方は保存する時、缶に開封日と残量を書いておくと次回使用する時に便利です。

次回のエンジンオイル交換の目安のために、今回交換した走行距離を覚えておきましょう。写真のようにトリップメーターをリセットして0kmにしておくのもオススメです。

僕の場合はエンジンオイルはターボ車3,000km、ノンターボ車5,000kmで交換。

オイルフィルターはターボ車、ノンターボ車ともにエンジンオイル交換の時に2回に1回交換しています。

N-BOXエンジンオイル交換のまとめ

最初は時間がかかりますが、作業に慣れてくると30分ぐらいでできるようになります。

車屋さんにエンジンオイルの交換をお願いしてもよいのですが、近所にない場合は交換作業とは別に行き帰りの時間もかかります。

自分ですることによって好きな時にできるし、時間の節約にもなります!

シキ

エンジンオイルの種類や量などは車種ごとに違いますが、ここで解説した交換方法の基本的なことはどの車種でも同じですのでご参考ください。

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