ケーブル1本で複数の周辺機器を一括管理できるドッキングステーション。
ドッキングステーションはUSBハブと比較すると値段も高いので、性能が良くてポートが多いものを選びたい。
今回はThunderbolt4ドッキングステーションで最強と思われる「CalDigit TS4」をレビューします。
- CalDigit TS4はなにがすごいの?
- CalDigit TS4の外観を詳しく見たい
- CalDigit TS4の仕様を詳しく知りたい
- 他のドッキングステーションとの違いは?
このレビューではCalDigit TS4の特徴や出来ること、他のドッキングステーションとの比較を詳しく書いていますので是非参考にしてください。
CalDigit TS4の良いところ
10Gbps対応のUSB-C、USB-Aポートを合計8個搭載
CalDigit TS4には表裏合わせて合計8個のUSB-C、USB-Aポートが搭載されています。
すごいところは、そのポートすべてが10Gbpsの転送速度に対応していること。
他のドッキングステーションでは480Mbps(USB2.0)や5Gbps(USB3.0)のポートが含まれていることが多いですが、CalDigit TS4はすべて10Gbpsで一切妥協がありません。
自由に使えるThunderbolt4ポートが2つある
CalDigit TS4はThunderbolt4ポートを3つ搭載しています。
Thunderbolt4ポートが1つしかないドッキングステーションはホスト接続だけでThunderbolt4ポートの空きがなくなってしまうので、Thunderbolt4のメリットを活かせません。
その点、CalDigit TS4はホスト接続用に1ポート使用しても、まだ残り2つのThunderbolt4ポートは自由に使えるので高速なThunderbolt4対応の周辺機器を接続することが可能です。
2.5Gbpsのイーサネットポート搭載
ほとんどのドッキングステーションが1Gbpsのイーサネットポートを搭載するなかで、CalDigit TS4は2.5Gbpsのイーサネットポートを搭載しています。
インターネット回線は1Gbps以下の方が多く、2.5Gbpsの恩恵を受けれる人はまだ少ないと思いますが、LAN内の速度アップや高速なNASを使いたい方にとってはかなり魅力的なポートなのではないでしょうか。
microSDカードスロットを搭載
僕が調べた限りではmicroSDカードスロットを搭載しているThunderbolt4ドックはほとんどありません。
SDカードスロットに変換アダプターを使ってmicroSDカードを挿入するというパターンがほとんど。
AndroidスマホやSwitchユーザーの方はmicroSDカードを使用していることが多いと思うので、変換アダプターなしで使用できるのは使いやすいです。
ホスト接続用ポートが背面にある
多くのThunderbolt4ドックが前面にホスト接続用ポートを配置しているのに対して、CalDigit TS4は背面に配置されています。
CalDigit TS4にホストとして接続しているMacBookやノートPCを持ち出す場合、MacBook側のケーブルを抜くことがほとんどで、CalDigit TS4のホスト接続用ポートには常にケーブルが挿さっている状態になります。
ドッキングステーション周りの配線をすっきり使いたいなら、常は前面ポートには何も挿さっていない状態がベストで、CalDigit TS4はそれを実現してくれる数少ないThunderbolt 4ドックです。
縦置き・横置きどちらも可能
Thunderbolt4ドックのほとんどが横置きスタイルをとっています。
モニターの下などに置いて使う場合はいいのですが、そうじゃない場合、横置きは結構スペースを取ります。
縦置きは省スペースで放熱性も良くておすすめです。
CalDigit TS4は縦置き・横置きどちらも可能なのでデスクのレイアウトが変わっても対応できます。
CalDigit TS4の悪いところ
HDMIポートがない
映像・音声用インターフェースとして最も普及しているHDMIポートがありません。
CalDigit TS4の場合は、Thunderbolt4ポートかDisplayPortから出力します。
モニター側にHDMIポートしかない場合は変換ケーブルやアダプタを使えば問題ありませんが、相性が悪くて表示できないこともありますし、できればそういったものを使いたくないところです。
価格が高い
CalDigit TS4は5万円オーバーで他社のThunderbolt4ドッキングステーションと比較しても価格が高めです。
OWC Thunderbolt Dock | 51,000円 |
CalDigit TS4 | 50,600円 |
Belkin Thunderbolt 4 Dock | 43,391円 |
Anker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock | 41,990円 |
多くの周辺機器を使っている人にとってケーブル1本で周辺機器を一括管理できるドッキングステーションは非常に便利ですし、CalDigit TS4のスペックを考えると妥当な価格だと思いますが、それでも5万円という価格は高いですよね。
LEDランプがまぶしい
CalDigit TS4の前面にはLEDがついていて、接続したホストの電源に連動して点灯・消灯します。
このLEDは点灯 or 消灯の2パターンしかなく、問題はMacをスリープさせた状態でもLEDが点灯していること。
なのでMacをスリープ運用する場合は常にLEDが点いている状態になります。
LEDが結構明るいのでとても気になる…
Macがスリープの状態は消灯するか、少し暗くなると良かったですね。
MacOSがスリープした時、一部のTS4で問題が発生
CalDigit公式サイトでもアナウンスされていますが、MacOS 12以降でMacOSがスリープモードに移行した後、一部のTS4においてシステムのクラッシュや外部ディスクが切断されるという問題が発生しています。
僕の環境(MacOS12.4)ではスリープする度に外部ディスクが切断されます。
CalDigitサポートに問い合わせたところ、近日中に対策済みのファームウェアが完成予定で、この問題が解決しない場合は購入から30日以上経過していても返品可能とのことでした。
CalDigit TS4のポートについて
前面ポート
- 高速なUHS-II対応のSDカード、microSDカードスロットを搭載
- 20W給電が可能なUSB-C搭載でiPhone13シリーズを急速充電可能
- オフライン充電可能なUSB-Aポート搭載でMacの電源が入っていなくても使用可能
microSDカードスロットを搭載しているThunderbolt4ドックって少ないからCalDigit TS4は便利!
背面ポート
- Thunderbolt4ポートを3つ搭載(うち1つはホスト接続用)
- 10Gbps対応のUSB-A×4、USB-C×1搭載
- オフライン給電可能なUSB-Aポートが2つあるのでホストの電源が入っていなくても使用可能
- 高速な2.5Gbps対応のイーサネットポート搭載
ホスト接続用のポートが背面にあると、普段は前面に何もケーブルが挿さっていない状態になるので、デスク周りがスッキリします。
CalDigit TS4の開封と付属品
パッケージは2段式弁当のようになっています。
- CalDigit TS4本体
- 電源アダプター(230W)
- 電源コード
- Thunderbolt4ケーブル(0.8m / 100W対応)
- 横置き用ゴム足2個
- 取扱説明書他
同梱のThunderbolt4ケーブルは0.8mで100Wに対応しています。
CalDigit TS4とホストのMacやPCを離れた場所に置く場合は、0.8mだと届かない場合があるので、別途ケーブルを用意しなければなりません。
CalDigit TS4の外観
外装はオールアルミニウムで、上面や側面はヒートシンクのようになっており冷却効果があります。
色はシルバーですが、どちらかというとAppleのスペースグレイに近い色です。
前面。スペースの問題なのか、それとも横置きが一般的な使い方なのか、ポートのアイコンや文字は横向けに記載されています。しかしCalDigitのロゴは縦向けに記載されています。
余分な隙間がなく、ポート類がぎっしり配置された背面ポート。
ホスト接続用のThunderbolt4ポートが背面についているのは嬉しい!
縦置きの場合は底にグレーのゴムがついているので、その面を下にして使用します。
横置きで使用する場合は半透明の溝が切ってあるゴム足が2本同梱されているので、写真のように取り付けて使用します。
CalDigit TS4はmicroSDカードスロットが搭載されている数少ないThunderbolt4ドッキングステーションです。
SDカードとmicroSDカードの同時使用が可能で、カードを入れる時は最後まで押し込むとカチッと鳴り、抜く時はもう一度押し込むと戻ってくるタイプです。
また安価なUSBハブなどはSDカードとmimcroSDカード表裏が反対になる製品がありますが、このCalDigit TS4は横置きにした場合に表が上にくるように設計されているのも嬉しいですね。
SDカード、microSDカード、どちらもUHS-IIに対応しているので高速ですよ
UHS-IIとは転送速度の規格の一種で、非常に高速で転送できるのがメリット。
市場に多く出回っているSDカード(UHS-I)の約3倍の速度で転送可能です。
更に高速なUHS-IIIという規格もありますが、対応したSDカードがまだ発売されていないのでUHS-IIが最速と考えてよいでしょう。
- UHS-I……104MB/秒
- UHS-II……312MB/秒
- UHS-III……624MB/秒
CalDigit TS4本体の2/3ほどの大きさの電源アダプタ。そして230Wというかなり高い消費電力です。
Thunderbolt4ドッキングステーションの中でも最強スペックなので、すべてのポートを同時に動作させるにはそれぐらいの電力が必要なのでしょう。
大きくて重いACアダプタですが、ドッキングステーションは基本的に据え置きで、持ち運んで使用することはほとんどないことを考えると問題ないでしょう。
Thunderbolt 4 ドッキングステーション比較
ドッキングステーションは多くのメーカーが販売してますが、今回は人気メーカーのBelkin Thunderbolt 4 Dock、Anker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock、OWC Thunderbolt Dockと比較しました。
ポートの比較
CalDigit TS4 | Belkin Thunderbolt 4 Dock | Anker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock | OWC Thunderbolt Dock | |
---|---|---|---|---|
製品画像 | ||||
Thunderbolt4 (ホスト接続用) | 1(40Gbps / 98W) | 1(40Gbps / 90W) | 1(40Gbps / 90W) | 1(40Gbps / 96W) |
Thunderbolt4 | 2(40Gbps / 15W) | 1(40Gb/s) | 1(40Gbps / 15W) | 3(40Gbps / 15W) |
USB-C | 1(10Gbps / 20W) 2(10Gbps / 7.5W) | 1(10Gbps / 20W) | 1(10Gbps / 20W) | – |
USB-A | 5(10Gbps / 7.5W) | 2(10Gbps / 4.5W) 2(480Mbps / 2.5W) | 2(10Gbps / 4.5W) 2(480Mbps / 4.5W) | 3(10Gbps / 7.5W) 1(480Mbps) |
Display Port | 1(DP1.4) | – | – | – |
HDMI | – | 2(HDMI2.0/ 4K60Hz) | 2(HDMI2.0/ 4K60Hz) | – |
SDカード | 1(UHS-II) | 1(UHS-II) | 1(UHS-II) | 1(UHS-II) |
microSDカード | 1(UHS-II) | – | – | – |
イーサネット | 1(2.5Gbps) | 1(1Gbps) | 1(1Gbps) | 1(1Gbps) |
オーディオジャック | 1(IN/OUT) 1(IN) 1(OUT) | 1(IN/OUT) | 1(IN/OUT) | 1(IN/OUT) |
合計ポート数 | 18 | 12 | 12 | 11 |
CalDigit TS4はポートが多いだけでなく、すべて10Gbps以上の転送速度でどのポートも使いやすい!
その他の比較
CalDigit TS4 | Belkin Thunderbolt 4 Dock | Anker PowerExpand Elite 12-in-1 Thunderbolt 4 Dock | OWC Thunderbolt Dock | |
---|---|---|---|---|
製品画像 | ||||
本体寸法(幅×高さ×奥行) | 141 x 42 x 113mm | 200 x 34 x 73mm | 186 x 33 x 73mm | 198 x 26 x 74mm |
重量 | 640g | 500g | 467g | 400g |
縦置き/横置き | 縦置き/横置き | 横置き | 縦置き/横置き | 横置き |
ディスプレイ出力(最大) | シングル:8K 60Hz デュアル:4K 60Hz | シングル:8K 30Hz デュアル:4K 60Hz トリプル:一部PC | シングル:8K 30Hz デュアル:4K 60Hz トリプル:一部PC | シングル:8K 30Hz デュアル:4K 60Hz |
同梱Thunderbolt4ケーブル長 | 0.8m | 0.8m | 0.7m | 0.8m |
ホストデバイス給電 | 98W | 90W | 90W | 96W |
電源ボタン | なし | あり | あり | なし |
電源アダプタ | 230W | 120W | 120W | 135W |
保証期間 | 2年間 | 2年間 | 2年間 | 2年間 |
Amazon価格(税込) | 50,600円 | 43,391円 | 41,990円 | 51,000円 |
Apple M1/M2搭載のMacBook Air/Proはデュアルディスプレイ非対応なので、ドッキングステーションを使用しても不可能です。
CalDigit TS4 レビューまとめ
他のThuderbolt4ドッキングステーションと比較すると値段が少し高めですが、その分スペックは間違いなく最強クラスです。
- 10Gbps以上の高速なデータ転送速度に対応した周辺機器を複数台持っている方
- ドッキングステーションの配線をスマートにしたい方
逆に周辺機器は多いけど、マウスやキーボードなど高速な転送速度を必要としない周辺機器ばかりという方は、USB2.0(480Mbps)や3.0(5Gbps)のポートが多いドッキングステーションやCalDigit TS3 Plusの方が低価格で購入できます。
ドッキングステーションは新しい規格などが出なければ、頻繁に買い換えるものではないと思うので、どれにしようか迷っている方は後々のことを考えると高スペックのドッキングステーションを選択した方が後悔はないでしょう。