初代Apple Watch Ultraが発表された時、12万円オーバーという価格に自分には縁のない時計だと考えていました。
それまでApple Watch Series 3から8まで、ずっとナンバリングモデルと使ってきて、iPhoneの通知を確認したり、タイマーを使ったり、ワークアウトに使ったりと基本的な使い方しかしていなかったこともあり、初代Apple Watch Ultraはスルーしていました。
ただ、レビューなどを見るうちに欲しくなり、Ultra 2が発売されたタイミングで購入。
今までApple Watchのナンバリングモデルを使ってきた僕がUltra 2に変えてどうだったか、約半年使ってみた感想をレビューにまとめましたので、購入の参考にしていただけると幸いです。
Ultra 2とSeries 9(45mm)のサイズ感の違い
心配だった本体のサイズですが、使い始めた頃は角張ったデザインと厚みのある本体に数値以上に大きく感じていましたが、使っていくうちにすぐに慣れて、全く気にならなくなりました。
横幅はUltra 2は49mm、Series 9は45mmで、4mmの差がありますが、画面の表示領域は体感的にはそれほど変わらず、Ultra 2の方がベゼルが太い分、サイズが大きくなっています。
過酷な環境での使用も想定されているUltraなので、ケースもチタニウムで厚みを増やして丈夫に出来ています。
個人的には縦横の大きさよりも本体の厚みが気になりました。
手首に付けたときに結構出っ張るので、気をつけていないとぶつけてしまいます。
ぶつけるのは決まって角の立ったベゼル部分ですが、自分はバンパーをつけているので未だ無傷です。
ESRのUltra用バンパーは後付け感がなくて、裸のUltraの見た目と変わらないのでオススメです。
背面のセンサー部分の大きさや厚みは公表されていませんが、見た感じ同じと思われます。
Ultra 2の背面はアースカラーになっていて、特別感がありますね。
サイズの大きいUltra 2の方が当然重量も重く、手にすると結構違いを感じます。
62gの本体と組み合わせたバンドによっては100g近くなる時もありますが、G-SHOCKをよく使う自分は気になりませんでした。
フラットな画面が使いやすい
Apple Watch Ultra 2は画面の端までフラットなパネルを搭載しています。
画面の表示領域は45mmモデルとそんなに変わらないのですが、フラットパネルなので画面の端のタッチ操作がとてもしやすいです。
Series 9は画面の端が湾曲しているので、押しづらくミスタッチも多かったのですが、Ultra 2ではミスタッチの回数も減りました。
特にキーボードでの文字入力はとてもしやすくなったので、キーボード入力をよく使うようになりました。
Apple Watch Ultra 2 | Apple Watch Series 9(45mmケース) | |
---|---|---|
ディスプレイサイズ | 49mmのケースサイズ | 45mmのケースサイズ |
ディスプレイ | 常時表示Retinaディスプレイ 最大3,000ニト | 常時表示Retinaディスプレイ 最大2,000ニト |
解像度 | 410 x 502ピクセル | 396 x 484ピクセル |
Apple Watch Ultra 2で使える文字盤
Apple Watch Ultra 2には、Ultraだけが使える専用の文字盤が2つ用意されています。
それが、「モジュラーUltra」と「ウェイファインダー」です。
どちらもUltraの画面の大きさを活かしたアクティブなデザインになっており、使い勝手が良いです。
また夜間でも見やすいナイトモードが利用できます。
モジュラーUltra
僕が好んで使っている文字盤が、この「モジュラーUltra」です。
僕はパッと見て今何時か、すぐに分かるデジタル表示が好きなのですが、今までのApple Watchにはデジタル表示の文字盤が少なく、あったとしてもコンプリケーションをあまり配置できないものが多くて実用的ではありませんでした。
しかし、この「モジュラーUltra」は大小合わせて最大7個のコンプリケーションを配置できます。
「モジュラーUltra」は文字盤のカスタマイズもできて、時刻の文字サイズ変更やベゼル部に秒・高度・水深を表示可能です。
ウェイファインダー
「ウェイファインダー」はインフォグラフの進化版と言ってもよいでしょうか。アナログ派の方はこちら。
合計8個(四隅に4個、中央に4個)のコンプリケーションを配置できます。
パッと見て時刻が分かりにくいですが、多くの配色が用意されていますので、配色次第で見やすくすることも可能です。
文字盤の配色を変えると、全然違った文字盤に見えますね。
ナイトモード
Apple Watch Ultraでは文字盤のすべての要素を赤くして夜間の視認性を上げるナイトモードが搭載されています。
夜間の視認性を確保するために、「モジュラーUltra」および「ウェイファインダー」の文字盤では、暗くなると自動的に赤色に変わるようにすることができます。文字盤をタッチして押さえたままにし、「編集」をタップし、スワイプして「夜間モード」を表示してから、「自動」を選択します。
Apple Watch Ultraユーザガイド
watchOS10から自動ナイトモード機能が追加されました。
これはApple Watch Ultraの周囲光センサーが周囲の明るさを検知して、自動的にナイトモードに切り替えてくれる機能です。
スヌーピー文字盤
Apple Watch Ultra 2に限ったことではありませんが、watchOS 10からスヌーピー文字盤を使えるようになりました。
画面を点灯させると一定時間アニメーションした後、静止画になります。
Apple Watch Ultra 2やSeries 9など常時表示ディスプレイを搭載しているモデルは、スリープ画面でもスヌーピーを見ることができます。
スヌーピー文字盤は画面を点灯するたびにイラストが変わります。
ここでは掲載できないほどかなりの種類があり、見ていても飽きないです。
スヌーピー文字盤を使うのであれば、常時表示ディスプレイを搭載しているモデルがオススメです。
アルパインループがおすすめ
Apple Watch Ultra 2と同時に購入できるバンドとして、3つのバンド(アルパインループ、トレイルループ、オーシャンバンド)が用意されています。
今回はインディゴのアルパインループ(Mサイズ)を購入しました。
アルパインループはアウドドア向けに設計されており、激しい動きでもバンドが外れないようになっています。
チタニウムでできたG字フックとカマボコ形状がポイントです。
S | バンドは手首が130–160mmの方にフィットします。 |
M | バンドは手首が145-190mmの方にフィットします。 |
L | バンドは手首が165-210mmの方にフィットします。 |
サイズはS、M、Lの3サイズが用意されていて、サイズによって装着した時のG字フックの位置が変わります。
僕の手首は一番細い部分で約17cmで、MサイズのアルパインループだとG字フックが中心より少し端に寄っている見た目になります。
例えば手首が15cmや16cmぐらいの方でMサイズだと、カマボコ状の部分がほとんど見えなくなって見た目のバランスが悪いので、Sサイズを選んだ方が良いと思います。
アルパインループのG字フックは最初、付け外ししにくそうなイメージがあったのですが、慣れてコツを覚えればとても簡単に素早く付け外し出来るようになりました。
僕は睡眠中もUltraをつけて寝ていますが、バンド自体が軽量で、薄型なので睡眠の妨げになりません。
また材質はポリエステルで汚れたら洗えるし、表面はサラサラとしていて装着感は非常に良いです。
強いて欠点を上げると脱着の際にG字フックが本体に当たると傷つく可能性があるということぐらいです。
45mm用のバンドは少し細く感じる
Series 9と同時に発売されたNikeスポーツループをUltra 2に装着してみました。
スポーツループなので本体のジョイント部分が樹脂製で、チタニウムケースとは合わないのは仕方ないです。
個人的にはUltraに45mm用バンドは少し細いような気がしました。
バンドのデザインにもよると思うのですが、Ultraの本体は大きくて分厚いので、アルパインループやオーシャンバンドのように幅が太くて立体的なバンドの方が見た目のバランスは良いですね。
僅かな違いですが、アルパインループの方が1mmほど太くなっています。
スペックは初代Ultraから大幅な変更はなし
外観デザインは初代UltraとUltra 2は全く同じです。
もし同じバンドをつけていたら初代UltraとUltra 2を見分けるのは難しいです。
Apple Watch Ultra 2 | Apple Watch Ultra 初代 | |
---|---|---|
サイズ | 49 x 44 x 14.4mm | 49 x 44 x 14.4mm |
重量 | 61.4g | 61.3g |
プロセッサー | S9 SiP | S8 SiP |
ストレージ容量 | 64GB | 32GB |
通信方式 | GPS + Cellular | GPS + Cellular |
画面輝度 | 最大3,000ニト | 最大2,000ニト |
バッテリー使用時間 | 最大36時間 | 最大36時間 |
ダブルタップジェスチャー | 対応 | 非対応 |
Siriのオフライン利用 | 対応 | 非対応 |
耐水性能 | 100m | 100m |
価格 | 128,800円 | 124,800円 |
バッテリー持続時間や使える文字盤は同じですし、プロセッサーやUWBチップが最新になり、ストレージも倍になっていますが、体感できるような差はありません。
Apple Watch Ultra 2の主な変更点
- 最新プロセッサー「S9 SiP」を搭載
- ダブルタップジェスチャーに対応
- Siriがオフラインで使えるように
- ディスプレイの最大輝度が3,000ニトに向上(初代Ultraは2,000ニト)
- ストレージやUWBチップがアップグレード
一番大きな違いはダブルタップジェスチャーの対応です。
その他に強いて言うならUltra 2は画面の最大輝度が3,000ニトに向上したので、屋外で使用することが多い人には見やすいと思いますが、初代Ultraの2,000ニトでも十分明るく見やすいです。
初代Ultraユーザーでダブルタッチジェスチャーや最大輝度が気にならない、という方はUltra 2に買い替えても違いがほとんどありません。
Apple Watch Ultra 2の価格設定は高くはない
今までのApple Watchはケースの材質やCellularの有無、選ぶバンドによって価格が違いました。
ケースはアルミニウムで、Cellularは必要ないという方は最小の価格で購入できますが、もしケースはステンレスで、バンドはUltra2に付属するアルパインループやトレイルループと同じ価格帯(14,800円)のものを選ぶと、Ultra 2とSeries 9の価格差はほとんどありません。
Apple Watch Ultraが発表された時、12万円超えは高くてビックリしましたが、Series 9 ステンレスケースの価格を考えると、Ultra 2はむしろお得な価格設定かもしれません。
Apple Watch Ultra 2 レビュー!まとめ
Apple Watch Ultra 2を使い始めて約半年が過ぎましたが、見る度に惚れ惚れするデザインと、2〜3日持つバッテリー持続時間(自分の場合)が一番のお気に入りポイントです。
毎日充電しなくても良いというのは本当に楽で、毎日充電が必要なナンバリングモデルには戻れないです。
Series 9とできることはほぼ同じで、機能的な面で言うとナンバリングモデルでも問題ないのですが、このデザインとバッテリー持ちだけでも、Ultra 2を購入する価値はあるなと僕は思います。
12万円という価格を考えると、他社の高級な時計やスマートウォッチも候補に入りますが、iPhoneやMacの自動ロック解除、Siriによる音声操作、Apple製品との連携など、Apple Watchでしか出来ないことも多く、ゴツくてカッコいい時計が好みの方には非常に刺さる時計だと感じました。